ひな祭りの複雑な気持ち

私は、ひな祭りの日が近づくと、複雑な気持ちになります。

なぜなら、私の家にはひな人形がないからです。

子供の頃に祖母に買ってもらったひな人形は、横50センチ、高さ30センチくらいのガラスのケースに入っていたもので、百貨店で買ってもらった品でした。

人形は全長5センチくらいで、手の平に乗り、みんな可愛い丸顔をしていました。

毎年、人形やぼんぼりなどを出すのが、恒例の楽しみだったのです。

しかし、ある時から両親が億劫がるようになり、お内裏様とおひな様だけ残して、全部捨ててしまったのです。

私はそれが今でも、本当に残念なんです。

なぜなら、私の尊敬する絵本作家、津田直美さんが、そのおひな様を持っているという事がわかってからは、本当に残念に感じたのです。

津田直美さんは良い絵本を作る事で有名ですが、女性らしい生活のアイディアを提案する事でも知られています。

彼女も、幼い頃にお祖母様からおひな様を買ってもらい、一式全部を大切にされているそうです。

季節の行事も大切にしていて、お菓子作りをたしなむ彼女の事なので、毎年きちんとお祝いするのでしょう。

私もせめて、彼女と同じおひな様一式を大切に保存していれば、毎日の暮らしに対する意識が変わっていたかもしれないと思うと、残念でなりません。

本当に惜しい事をしたと思いました。

大きいおひな様一式のように、立派な印象はないけれど、祖母に買ってもらったおひな様にも愛着がありました。

特に、三人官女の中の一体は、私に顔が似ていたので、毎年楽しみにしていたのです。

私は残ったお内裏様とおひな様を見る度に、いつか同じようなおひな様を手に入れたいと思っています。

その時には、より日本のひな祭りを味わい深い行事に出来る事でしょう。

桜餅やお団子だけでなく、桃の花を飾り、ひな人形が揃ってこその行事なのです。

ちなみに、私は無事にお嫁に行けたので、もう雛人形を飾ることもありませんが、いつか娘が生まれたら、また雛人形を飾ってあげたいと思っています。